- 2026.07.02
- 石油依存を抑える印刷インキとは|包装紙の「におい」と環境負荷を解決する都インキの取り組み

印刷インキの石油依存・食品包装のにおい問題・ホルムアルデヒド対策を一挙解決。都インキの「超低臭におわなインキ」が選ばれる理由を、具体的な数値データとともに解説します。
【この記事でわかること】
- 印刷インキが抱える「石油依存」と「におい」の二大課題
- 従来品と超低臭におわなインキの設計思想の違い
- ホルムアルデヒド測定値の比較(従来比100%削減)
- 都インキが推進するINK TO INK循環モデル
- 食品包装・贈答包装紙における選定ポイント
印刷業界を取り巻く「石油依存」問題の現状
原油価格の変動・地政学リスク・脱炭素規制の強化を背景に、「石油への依存を減らす」という課題は製造業全般に広がっています。印刷業界も例外ではありません。
印刷インキの主原料の一つであるビヒクルには、石油由来原料が多く使用されており、原料価格の高騰がそのままコスト増につながります。さらに揮発性有機化合物(VOC)の排出や、廃インキの処理コストなど、環境面での負荷も無視できない時代になっています。
こうした状況の中、環境に配慮した製品開発は企業の使命であるという理論のもと、都インキ株式会社では早くから「より安全で、より持続可能な印刷環境」をテーマに製品開発を進めてきました。
こうした中で開発をしましたのが、「サステナブルインク®︎」です。「サステナブルインク®」は、持続可能な自然由来のバイオマス原料を印刷適正が維持できる範囲で配合し、その含有率を極限まで引き上げた印刷用インキです。

包装紙で顕在化する「インキのにおい」問題|なぜ発生するのか
食品・お菓子・贈答品の包装紙は、大きな面積に印刷されることが多く、インキ由来の臭気が商品イメージに直結しやすいカテゴリーです。
一般的な油性オフセットインキは「酸化重合」という乾燥メカニズムを採用しており、乾燥過程でホルムアルデヒドを含むガスが発生することがあります。印刷物としての機能に問題がなくても、
- 「なんとなくインク臭い」という消費者の印象
- 「食品の香りを邪魔している気がする」という不安感
- 「高級感を損ねる」というブランドイメージへの悪影響
といった潜在的なクレームにつながるリスクがあります。特に高付加価値商品・オーガニック商品・インバウンド向け商品では、この課題が顕在化しやすい傾向にあります。

「臭いを抑える」から「臭いを発生させない」へ|設計思想の転換
従来の低臭インキのアプローチ
従来の「におわなインキ」は、特殊吸着剤を配合することで発生した臭気を後から吸着・抑制するという設計でした。一定の効果はあるものの、吸着能力には限界があり、保管時間や温度によって臭気が再発するケースも報告されていました。
超低臭におわなインキの革新的アプローチ
都インキが開発した「超低臭におわな包装紙インキ」は、発想そのものを根本から転換しました。酸化重合そのものを抑えた特殊設計により、臭気の発生源を根本からカットしています。

従来品 vs 超低臭におわなインキ|比較ポイント
比較項目 従来インキ 超低臭におわなインキ
低臭の仕組み 吸着剤で臭気を吸収 酸化重合自体を抑制
ドライヤ使用 あり(重金属含む) なし
マンガン・コバルト 含む場合あり 含まない
ホルムアルデヒド発生 20ppm(測定値) 0ppm(測定値)
持続的低臭性 吸着限界あり 根本から発生しない
ホルムアルデヒド・重金属フリー設計|食品包装に求められる安全基準へ対応
食品包装材の安全基準は年々厳しくなっています。超低臭におわなインキは、ドライヤ(乾燥促進添加剤)を使用しない独自設計により、以下の特性を実現しています。
- ドライヤを使用しない
- マンガン・コバルトなどの重金属を含まない
- 乾燥過程でホルムアルデヒドが発生しない(測定値:0ppm)
実際の測定値では、従来インキのホルムアルデヒド発生量が20ppmであったのに対し、超低臭におわなインキは0ppmを達成。食品包装・医療品包装・ベビー用品包装など、高い安全性が求められる用途への適合性が高まっています。
INK TO INK|廃インキを資源に変える循環モデルで石油依存を削減
都インキでは、製品の低臭・安全化にとどまらず、使用後の廃インキを次の製品原料として再活用する「INK TO INK」活動を推進しています。
未使用のまま廃棄されるインキを都インキが回収・再生することで、廃棄物削減とバージン石油原料の使用量削減を同時に実現します。循環型の原料調達は、石油依存低減という課題に対する、現実的かつ即効性のある解決策の一つです。現在、サステナブルブラックインク®︎として、ご提供しています。

都インキが進める環境負荷低減の取り組み一覧
- 再生可能原料の積極的な活用
- 廃インキの回収・再利用(INK TO INK活動)
- 石油由来原料から持続可能な代替原料への転換研究
- 環境対応型インキの継続的な開発・ラインナップ拡充
食品包装に求められる価値の変化|「見た目・強度」から「安全・環境」へ
かつての包装印刷では、発色の良さ・耐摩擦性・印刷スピードが選定の主要基準でした。しかし2020年代以降、評価軸は大きく変わっています。
現代の包装印刷インキ選定で重視される要素
従来の評価軸 現代に求められる要素
発色・色再現性 低臭性・無臭設計
耐摩擦・耐水性 食品安全性(重金属・ホルムアルデヒドフリー)
印刷生産性 環境負荷低減(石油依存削減・廃棄物ゼロ)
コスト ブランドイメージへの配慮(高級感・清潔感)
環境 サステナビリティへの対応(ESG・SDGs)
よくある質問(FAQ)
Q1:超低臭におわなインキは既存の印刷機でそのまま使えますか?
油性オフセット印刷機での使用を前提に設計されています。詳細な適合条件については都インキまでお問い合わせください。
Q2:INK TO INKの引き取りサービスはどのくらいの量から対応していますか?
回収条件・最低ロットについては個別対応となります。都インキ営業担当者にご相談ください。
Q3:食品衛生法や食品用途の規制に対応していますか?
製品ごとの規格・認証状況については都インキまでお問い合わせください。用途に応じた製品をご提案します。
Q3:ホルムアルデヒド0ppmというデータは公的機関による測定ですか?
測定条件・試験機関の詳細については都インキまでお問い合わせください。
まとめ|石油依存低減と食品安全を両立する印刷インキ選びのポイント
本記事のポイントを整理します。
- 印刷インキの石油依存問題は、コスト・環境・安全性の三面で印刷業界に影響を与えている
- 食品包装のインキ臭問題は、消費者体験とブランドイメージに直結するリスク要因
- 都インキの「超低臭におわなインキ」は、吸着ではなく酸化重合の抑制という根本解決アプローチを採用
- ホルムアルデヒド発生量:従来品20ppm → 超低臭におわな包装紙インキ0ppmを実現
- INK TO INK活動による廃インキの循環再利用が、石油依存のさらなる削減に貢献
- 食品包装の品質評価軸は「見た目・強度」から「安全・低臭・環境配慮・ESG対応」へシフト
